先日、自分は所要あって大阪は梅田に出向いた折に「某有名茶屋」を発見したので、喜び勇んで女性店員さんに 「煎茶が欲しいのですが…」 と尋ねるとその店員さんはいきなり 「は?」 という曇った表情になり、困った感じで奥に居られる店長と思われる男性店員に耳打ちをしたかと思いきや、その男性店員はつかつかと奥から店先に出て来ると 「ウチに煎茶は置いておりません」 等と胸を張って吐きよってからに自分は驚愕した。
もう一度、暖簾に目をやると 「某有名茶屋」 の名前が堂々と印されていた。
全く自分には理解ができなかったのであるが、どうもその店舗は抹茶を使用した 「スイーツ」 専門の店舗らしく、茶屋の銘を名乗りながらも店先でお茶を出されることもなければ煎茶、玉露などを購入することも出来ないのである。
「そらアンタ他のお茶屋を探したらええがな」 と仰られるのは百も承知であるが、有名な茶屋の銘が暖簾に大きくあって 「お茶を置いていない」 というのは如何なものであろうか。
確かに観光で関西に来られている方々、特に外国人観光客の方々に 「抹茶スイーツ」 は好評なのだろうし売れ筋商品なのは理解できるけれども、自分的には何故にそこで 「茶を出さぬのか?」 という疑問、或いは不思議感に苛まれるのである。
店先で呆然と立ち尽くす自分を店員二人は 「阿呆か…」 という感じで眺めていた。
少し震えた。