2014年9月18日木曜日

めぐりあい、お茶

「めぐりあい、お茶」云うてガンダムっぽいタイトルであるが自分が何故に日々、煎茶や玉露、番茶などを淹れて楽しむようになったかといえば、それは「めぐりあった」からであると思う。
そもそも自分の中での「お茶」というものは自分で淹れるようなものではなくて「おかん」が和菓子なんかを食す時に淹れていて「お菓子食べや」なんて呼び止められて、おかんがテレビを観ながら湯吞みに注いでくれるようなものであり、自分でお茶を淹れることはあってもそれは適当というか雑であって、土瓶などに適当な量の茶葉を入れて熱湯を満タンになるまで注ぎ、これまた「寿司屋かっ!」というような大きい湯飲みでもって熱々のお茶を啜り飲むというのが常であった。
「お茶」は好きであったが、どちらかといえば「コーヒー」を飲むことの方が多くペットボトルのお茶ですら購入することはあまりなかったと記憶している。
それがある日を境に自分のお茶に対する概念を根底から覆されることになってしまうのであるが、これは「登さん」との会話で幕を開けることになる。
自分がその頃ブログで「使っていた急須の蓋が落ちて割れた」みたいなことを書いていて、それを読んでくれたのか後日、話す機会があった際に「急須でお茶淹れるんや……」と登さんは不思議そうに云い「淹れますよ」と自分は答えたのだが「急須でお茶を淹れる」ということ事態が今は珍しいことだということを聞いて驚いたり「お茶の淹れかた」を教えてもらい、如何に自分が今まで適当に「お茶」を淹れていたかということに衝撃を受けた。
それから登さんとミウラ氏に会う機会があり「よかったらこれ淹れてみて」と頂いた宇治茶の「茶葉」の素晴らしさに感動して現在に至るのであるが、この「お茶」と「めぐりあい」が自分の人生をまた一つ豊かにしてくれたのであり本当に感謝している。
今では「お茶のない生活」というものは考えられず「お酒は我慢できるけどお茶は無理」であるし、出不精で低血圧、過敏性大腸症候群の自分には煎茶が「効く」のであり、もう生活に欠かすことはできない。
それに「お茶の楽しみ」というのは多岐にわたり、もちろん茶葉の産地であるとか製茶の方法、簡単に言えばお茶屋の数だけ様々な「味」がある訳であって、いろいろな茶屋をめぐるのも楽しいし「茶器」も様々なものがあって自分に合う「茶器」を探すのもよかろうと思う。
なにより家族や友人と茶菓子を食しながら淹れたり淹れてもらったりするお茶は格別なものであり本当に有意義な時間である。
「何事もめぐりあいというのは大切であるなぁ」と一人で感慨に耽る秋の夜。


2014年9月2日火曜日

夏の終わりに、宇治茶パフェ

アイスクリームは、気温27℃から30℃の間が最も売れるらしい。
しかし、昨日、2014年9月1日の京都市内の最高気温は25℃と、涼しい一日であり、
(ちょっと気になって調べてみたところ、過去50年で最も最高気温の低い9月1日だった)
何なら、「ちょっと熱いお茶でも淹れようかなあ」と思うほどだった。

だが、ふと思い立って訪れたお茶屋さんで、宇治茶パフェソフトを食べた。
なぜだろう?…さして、好きなスイーツでもないのに。
たとえ、気温が27℃から30℃の間でも食べることはないのに。

「お茶屋さんならではの抹茶スイーツ」という触れ込みは非常に多い。
肝心なのは、それを提供するお茶屋さんが、どういった店かである。
スイーツに入れ込み過ぎて、お茶を置いていないお茶屋さんも少なくない。

図らずも、宇治茶パフェソフトを食べることになった「大谷園茶舗」さんには、
お徳用ほうじ茶から、品評会で受賞した煎茶や玉露、そして抹茶まで、
幅広い商品ラインナップと、地域に根付いていることを示す佇まい。
注文することが、ごく自然に思える「お茶屋さん」然とした雰囲気があった。



抹茶はもちろんのこと、ソフトクリームに使う原料はすべて、
茶審査技術五段というご主人が吟味されたとあって、確かな味わいだった。
滑らかな舌触りでありながら、それを邪魔しない程度に存在を主張する抹茶。
さらに、小豆、白玉、甘栗、ウエハース、ワッフルコーンのバランスも絶妙で、
研究開発を繰り返してこられたことが伝わる逸品であった。

これまで、「抹茶を使ったスイーツ」に驚くことなどないだろうと思っていたが、
地元の方の利用も多いと見えるお茶屋さんで、それが単なる思い込みであると知った。

お茶そのものを愉しむという基本スタンスを変えるつもりはないが、
その味わいを広めたいと、日々研究を重ねておられるお茶屋さんの試みにも、
しっかりと目を配っていこうと感じた次第である。