2015年1月30日金曜日

「玉露のうまい淹れ方」コンテスト/前々夜


全国「玉露のうまい淹れ方」コンテストの京都府予選会が京田辺市で行われる――

パートナーが見つけた記事で初めてその大会の存在を知った。
今回で「第9回」となる全国大会の本選は福岡市・八女市で行われてきた。

八女市と言えば、全国茶品評会の「玉露の部 産地賞」のタイトルホルダーであり、
数々の高級緑茶を生み出した本場・宇治の中でも、玉露を名産品とする
京田辺市からすると、最大のライバルと言える産地である。
京都府予選会は、「敵地に刺客を送り込む」ためのものと言って差し支えないだろう。

…と、面白がって特に迷うことなくエントリーをしたのだが、
いよいよ明後日が本番という今となって、なかなか難しいコンテストだな…と感じている。

事務局から送られてきた【競技要領】によると…

Ⅰ 対戦方法

①対戦方法は、予選は1班5人による一人勝ち抜き方法とし、各選手は審査用と選手本人用の試飲分を含む6人分の玉露を淹れていただきます。


②1回戦は、6班30名が競技を行います。


③決勝は、各班から1名の上位選手により、専門の審査員5人分の玉露を淹れていただきます。(選手本人の試飲分も淹れてもかまいません。合計6人分)


何が難しいかと言うと、「6人分」という量である。
普通の煎茶よりも少ないとは言え、なかなかの分量だ。
普段、せいぜい淹れても一度に2~3名分しか淹れたことがない。
「競技」で使用する急須や湯冷ましは「各選手」が持ち込むことになっている。
要は、普段使っている急須は容量が足りないのではないかという問題である。

京都予選会に出場する方は、このレギュレーションをどう受け止めているのだろう?
もっとも、いくつも茶器を持っているプロの方や、それに近い愛好家の方も多いだろう。

…勝ち負けのことを考えてどうする。
30名もの「選手」が、それぞれの道具を使って、真剣に玉露と向き合うのだ。
愉しくないわけがない。

別のグループの5名の選手が淹れた玉露を味わい、その優劣をつける審査が楽しみだ。
一体、どんな一日になるのだろうか?詳しいレポートは、また後日。


2015年1月20日火曜日

「点てる」ってなんだろ「点てる」ってなぁに?


先日、ぼーっとテレビを観ていると大人の休日がなんたらかんたらという番組を衛星まで使用して放送しており、その番組はある有名な女性モデルが台湾でなんたらかんたらという内容であって、自分は半分以上、或いはそれ以上に弛緩した状態でそれを眺めていると「中国茶の点てかた」というテロップが自分の眼に飛び込んできて何やら「違和感」を覚えた。

「中国茶の点てかたやと…」

これはどうも「このお茶は急須で淹れたものかペットボトルのものかどちらでしょーか?」と和菓子職人に問うが如く「なんか違うやろ…」とかなり弛緩した状態でも思ったのである。

「コーヒーをたてる」という表現は皆さんも耳にしたことがあると思いますが、これも実際はどうかと考えてみるに「違う」気がしていて、コーヒーもやはり「淹れる」というのが正解なのではないかと自分は思う。

しかし「コーヒーを立てる」或いは「点てる」というのはあながち間違いではないというか気分的には理解できるのであって、それはドリップの際に細かな泡が立つという「泡の存在」があるからではないだろうか。

「点てる」を考えるとこれは当然ながら「抹茶」である。

「お抹茶を点てます」これが正解であると思うが、「点てる」を調べてみると「点」には「いれる」とか「少し」という意味が含まれており少量のお茶を作るという意味で抹茶の場合はこれを「点茶」という。

だがこれに他のお茶も当てはめてしまうと少量だけ淹れるお茶の玉露、高級煎茶なども含まれてしまうのではないかと考えるとこれはおかしい気がする。

「玉露を点てます」或いは「煎茶を点てます」という表現は今まで聞いたことが一度もない。

こうして考えてみると「泡の存在」なんてものは全く関係がないのであって、抹茶を点てた際にできる「泡」とコーヒーをドリップする際の「泡」の感じが似ているというか、茶筅で立てるのとは全く違うけれども「コーヒーは点てる」でも許せる「感覚」が自分の中にはあることに気づいた。

ここで台湾の件に戻るのだが、番組で女性モデルが台湾の有名な「茶屋」に行って「中国茶の作法」を習うという内容で日本語のやたら上手な台湾のお茶の先生が登場し、中国茶(白茶)の楽しみ方、作法などを女性モデルに教えているのであるが、その中で先生は「お茶を点てる」とおもいっきり仰っておられた。

これには弛緩しきっておった自分も「何やと?」となったのは上でも書したけれども、ひょっとして中国では一般的にお茶を淹れることを「点てる」と表現するのであろうか。

新たな疑問が沸いて今度は脳が「弛緩」したのは云うまでもない。



2015年1月9日金曜日

笠置に入らずんばひげ茶を得ず。

昨年末、京都府相楽郡笠置町にある天然温泉施設「笠置いこいの館」へ兄家族に連れて行ってもらった際、ロビーで見慣れない「草」が透明のビニール袋に詰め込まれプラステック製の箱(給食パン入れのようなもの)に積まれて販売されていた。

その一つを手に取り眺めていると、それは完全に「アカン草」のような形状をしており、ビニール袋の口は輪ゴムで縛られているだけで「この辺りではタ○マは合法なのか」と思わせる風情であって「完全に乾燥タ○マやん」と思ったがここは日本であり、その様なものが合法な訳がないのであって、ビニール袋に張られたシールを読んでみるとそこには「ひげ茶、月ヶ瀬産」と書いてある。

笠木町付近には云わずと知れた「茶所」である和束町、南山城村があり、奈良県との県境ということもあって「月ヶ瀬産のひげ茶」も近くの生産農家の方から仕入れて売っているのであろうと推測される。

この「出物」と呼ばれる仕上げ茶にならないお茶の副産物でよく耳にするのが「かりがね茶」という茎茶と葉が粉状になった「粉茶」ですが、「ひげ茶」は店頭などでは一切見かけることはない「レア」なお茶であり、茎の皮を薄く剥いである部分がくるくると巻いた状態が特徴的な茶産地でしか購入できない物なので即購入、250グラムで\325である。安い。

恥ずかしながら自分は「ひげ茶」の存在は知っていたが実際に手にするのは初めてであったので興奮していたのか、ひげ茶の隣にあった和束産の番茶も購入してしまい茶の量が多いので兄家族と半分ずつシェア。

自宅でひげ茶を淹れてみた。

いろいろやってみるに、ひげ茶はかなりの量を急須に入れないとあまり出ないので、これでもかというぐらいに「ひげ」を急須に入れる。



水色はキレイな黄金色、味は少々の酸味を含んでおり香りは緑が強い感じでさっぱりしていて飲みやすい。お世辞にも「めちゃめちゃ美味しい」とはいえないかもしれないが、爽やかな酸味でスッキリしたい時、二日酔いの朝、食後のお茶等にはとても良いと思う。


お好きな方はこのひげ茶の茶殻でふりかけを作って食されているらしく「ほんまお茶は捨てるとこないな~」と再び関心。

なかなか「ひげ茶」を購入するのは難しいと思われるが「茶所」と呼ばれる地域の宿、温泉施設などに行く機会があれば探して購入してみてはいかがだろうか。