ということで、お茶と一緒に楽しみたいお菓子についてまとめていきたいと思います。
まずは、虎屋さんの「おもかげ」です。
自分が自分のためにお茶を淹れるときのお菓子として、私が最も好んで用意するのが虎屋の「おもかげ」。20歳のときに椎間板ヘルニアで入院した私は、ベッドの上での約1ヶ月、お茶と「おもかげ」でつらい日々を耐え楽しんだ記憶があります。「おもかげ」がなくなれば「おもかげ」と呟き、誰かに持ってきてもらう。しかも、ふつうサイズではなく1本240円の小型。なぜそれまでに「おもかげ」なのか。考えたこともないので思いつくままに書いてみます。
美味しいものをいただく際の分量について誰しもお考えになられたことがあるかと思いますが、私はといえば「ちょっと食べたい」ほうです。「ええもんがちょっとほしい」のです。なんで、ちょっとなのかよくわからないのですが、おそらく、「ちょっとでええ、ええもん」がほしいのだと考えています。
では「ちょっとではない、ええもん」というのは何があるかといえば、自分が思い当たるところでは海の近くにある料理旅館などのカニ。私はカニ好きですが旅館でカニをいただくと「もうええ…」という結果になります。「もうええ…」から1ヶ月もすれば、またカニが恋しくなっていたりするので、カニはそれぐらいの魅力があるのでしょうが、それでも「もうええ…」から1ヶ月は要します。
一方「ちょっとええ、おもかげ」は、毎日でもいただくことができます。薄く切れば1日に10回ぐらいに分けて「幸せやなあ」と感じることができるのです。
ちなみに、私は「おもかげ」を薄く切る習慣があります。「そんな食べ方をするのは羊羹好きじゃない」などというお叱りを受けたこともありますが、私は特に羊羹好きではありません。「おもかげ」好きなのです。舌にちょっと乗る程度のサイズでありながら、ザラッとしたりツルッとしたりいろいろな感触を舌に残してくれる「おもかげ」は、少量であっても口の中に黒糖のふわっとした甘みを残してくれます。その余韻を楽しみながら、100g600円~700円程度の渋みと甘みが混在する煎茶をいただくと至福。
今日は10月も後半ということでかなり風も冷たくなってきましたので、少し熱めの煎茶を淹れました。おもかげの薄さはいつもの約3倍程度。ちょっと贅沢な切り方にしてみました。
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