2014年11月18日火曜日

「朝茶に別れるな」


他には、「朝茶には福が増す」、「朝茶はその日の難逃れ」、「朝茶は七里帰っても飲め」など、
とにかく、昔の人は「朝、お茶を飲むとええことあるで」と、推し続けてきたわけです。

11月も半ばを過ぎて、朝の冷え込みは冬のそれ。
ウチのコドモたちも、「風邪の諸症状」が出始めてきたので、
体調を整えるためにも、改めて「朝茶」を薦めようかと思う次第。

「風邪にはビタミンC」という定説(是非はさておき)がありますが、
サプリメント(合成アスコルビン酸)で摂ろうとするのではなく、
吸収率の良い天然モノ、朝茶によるビタミンC摂取の方が断然良いかと。

ここで念を押しておきたいのが、「茶のビタミンCは壊れにくい」ということ。
熱やアルカリに弱いと知られるビタミンC(野菜を10分茹でると、約半分に)。
お茶のカテキン類が、ビタミンCの安定化を促す働きを持っているとか。
栄養は、食物から摂るべきだということが良く分かります。

もっとも、「朝茶」のことわざは、「朝からビタミンCを摂ろうぜ」という話ではなく、
「お茶を飲む余裕ぐらい持ちなさいよ」というメッセージだと思いますが、
それでも、プラシーボ効果が高まるなら、知っておいて損のない知識ではないかと。

2014年11月17日月曜日

今更ながらマニュアル通りに淹れてみる。

お茶を購入すると包装の裏面に「美味しい淹れ方」なる説明書きがあることに着目し、今回はこの「説明書き」の通りにお茶を淹れてみるとどうなるかという実験をしてみました。
某有名茶屋の煎茶を説明書きの通り三人分。
①お湯をよく沸騰させます。(三人分200cc)
②急須に茶葉大さじ2杯(10g)を入れ、沸騰したお湯を80度位まで冷ましてから注ぎます。
③しばらくおいて、茶味が均等になるように注意しながら湯吞みに注ぎ分けます。
 この時、急須のお茶は必ず最後の一滴まで注ぎきるようにしてください。
上記の通り淹れてみるに、なるほど美味しかったのであるが、ここで問題なのは80度位まで冷ましたお湯を茶葉が入った急須に入れるという件なのだが、これをすることによって80度の湯は使用する急須の大きさ等にもよるが大まかには10℃ほど下がる筈である。
10℃下がって70℃なら丁度良い上茶であるが、自分がここで「ん?」と思ったのは急須を温めていないという点であり、急須に沸騰したお湯を入れ、そこから湯のみ、湯冷ましという流れで70℃で淹れるのと今回のように80℃のお湯を何もしていない急須で淹れることに「差」があるのではないかと自分は思ったのだが、この疑問は次回に回すことにする。
流石に「お茶屋」の煎茶にある説明書きは説得力というか、当然であるが商っている商品を理解しておられるので「美味しく」淹れることは出来たが上で書した様な問題、或いは「しばらくおいて」という曖昧な表現をクリアにしたいところではある。
しかし、全てを真に受けることなく自分の「好み」で淹れればよい訳なので、あまりにもガチガチにマニュアル化するのもどうかと思うし難しい。

今度は大型スーパーで売られている比較的「良い」煎茶をこれまた説明書きの通りに淹れてみました。
スーパーの煎茶(二人分)
①お湯を充分沸騰させてください。(二人分180cc)
②急須、茶碗をあらかじめ温めておきます。
③茶葉6gを急須に入れます。(ティースプーン約2杯)
④少し冷ましたお湯(約70度)を急須に注いでください。
⑤約1分後お茶の色が均等になるように、ゆっくりと残さず茶碗に注ぎ分けてください。
上記の通り淹れてみるに、結果は「全くお茶が出ていない」という結果であり残念であったが、あと30秒ほど待てば結果は違ったと思う。
「条件」というのが様々にあって、上記のように淹れて「美味しく」淹れることが可能なのかもしれないが、ここで感じたのは「説明書き」を頭の片隅に置きながら「自分なりの淹れかた」を見つけ出すというのが大切なのであり、1回の失敗で「このお茶アカンわ…」とするのではなく様々な角度からアプローチすることによってそのお茶の持つ「ポテンシャル」を引き出すというのも面白いのではないかと思った今日この頃なのであるが、こんなに長々と書いて一体誰が興味あんねんと嘆きつつ筆を置くことにします。


2014年11月6日木曜日

茶器を作る。


お世話になっている清水焼の作家さんのご厚意で、陶芸体験をする機会を得た。

何を作ろうかと悩むこともなく、抹茶碗と玉露を淹れるのに使う湯冷ましを作った。
普段使っている茶器に、どうという明確な不満があったわけではないのだけれど、
一度は自分の手で作ること、それを使うことを味わってみたいという思いを持っていた。


正確に言うと、すべてを自分一人で作ったわけではない。
ろくろを回して作陶しただけで、高台の削り出しや、釉薬をかけたりといった
仕上がりに大きく影響する工程は、作家さんにお任せした。

それでも、貴重な体験となった。
仕上がった品を手にして感じたことは大きく三点。

一つ目は、ここがこうだったら使いやすいかなと、自分なりに抱いていた
理想の茶器のイメージは、結構、曖昧でいい加減だったということ。
初めての陶芸体験で、思い通りの形を作るのは難しいなんてことは当然として、
「あれ、ここどうなってたっけ?」と、手を止めたりしていたのが影響したのか、
全体のバランスがどことなくおかしいように感じる。

ということで、プロの手からなる茶器は、
やはり良く出来ているのだなあということが二つ目。
いまある形は、時を経て、洗練されたものなのだなあと。

三つ目は、「茶器は液体を扱うものなのだ」という、これまた自明のこと。
湯を注ぐ、茶を点てる、急須、湯呑みに移す…
茶器に与えられたそれぞれの役割を全うするには、
ぱっと見ただけでは分からない複雑な曲線が必要なのだなあと。

そんなわけで、器を見るポイントが少し変わった。
そして、お茶を愉しむという大きなテーマの中に「茶器を作る」という
新しい切り口が加わった…際限なく広がるなあ。


2014年11月5日水曜日

「マイ急須」購入のススメ

「私、お茶好きやねん」と云ってペットボトルや紙パックのお茶を買い求められる方々が居られますが「お茶が好き」と仰るのなら是非とも「急須」で淹れて試してみて欲しいと思うのです。
「急須」を使用してお茶を淹れるということは「茶葉」を使用するということであり、この「茶葉」には様々な種類があって、いわゆる緑茶と云っても煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶など栽培方法の違いや製法の違いで味や香りも異なります。
この「味と香り」を存分に楽しめるのが「急須」という道具であり、コンビニ等で売られ「急須で淹れたような…」とCMしているようなペットボトルのお茶では味わえない「味と香り」を提供してくれます。
「焼き物」としての楽しみも味わい深いものがあり、陶器、磁器で作陶された好みの急須や湯のみを使った「お茶の時間」は格別なものです。
最も大切なのは高級なお茶やお菓子、道具ではなく「もてなし」の心であり自分はもとより家族や友人、お客様に美味しいお茶を淹れようという気持ちであると思います。
急須に茶葉と少し冷ましたお湯を入れて「お茶が出る」までの時間も会話を楽しみ、そしてお茶の味と香りを楽しむ。
是非ともお好みの急須を購入して「お茶屋」で茶葉を選んで淹れてみて下さい、きっと誰かにも淹れてあげたくなりますよ!