…かぶせ茶と、ほうじ茶を買ってきた。
「市場」は、京都駅の近くにある梅小路公園で毎月第一土曜日に開かれる手作り市。
元々は、「素人さんが創った手づくりの作品を発表する場」として、
京都市在住の有志が始めたクラフト系の青空マーケットだったが、
回を重ねるうちに「手づくり」の解釈が広がり、
生産農家の方々も参加するイベントとなった模様。
(京都には、寺社仏閣の境内といった「ならではの空間」を使った市場が多い)
お目当ては、森井ファーム&森井長左衛門カフェさんのお茶。
以前、百貨店の前で出店されていた際に、たまたま通りがかって買い求めた
かぶせ茶と、ほうじ茶を再び味わいたいなと。
農家さんのお茶と、お茶屋さんのお茶の大きな違いは、「合組(ごうぐみ)」にある。
お茶屋さんは、お茶農家から仕入れた茶葉の特性を吟味して、
店で扱う銘柄に合った合組(ブレンド)を行い、年間を通して安定した茶の味を提供する。
その年の出来不出来や、畑による微妙な風味の違いも踏まえて、
顧客に同じクオリティの茶を提供するのだから、合組には非常に高い技術が求められる。
(複数の品種のブドウを「アッサンブラーシュ(組み合わせ)」するボルドーワインと似ている)
一方、お茶農家さんのお茶は、自分の畑で作った茶葉を製茶するので、
合組のような調整を行うことができず、味は茶の生産技術そのものに左右される。
(ワインで言うなら、単一品種で作るブルゴーニュに近いイメージか)
どちらが優れていると比べるものではない。
茶の味については好みがあり、要は好きか嫌いかでしかないからだ。
「生産農家さんの顔を見て、その方から茶を買う」という機会を愉しむ。
または、「今年のお茶はどんな味だろう?」と、もしかすると微妙に変化するかもしれない味に
胸を躍らせる…といったところだろうか。
「市場」が開かれる日に、別の用事が入ることがあるかもしれない。
天気が悪くて出かける気がしないということもあるかもしれない。
いつでも、確実に入手できるお茶屋さんと比べると、出会いにくいお茶かもしれない。
(もっとも、機会を逃さないためにも、ネットやFAXなどで注文を受ける農家さんがほとんどだが)
でも、と言うべきか、だからこそ、と言うべきか。
「市場」で出会う農家さんのお茶には「味がある」と思う。
ただ消費するだけでは詰まらない…ある「ひと手間」を楽しむことが、
お茶を味わうことではないかと思う今日この頃である。
…と、いうわけで、今日、市場で買った一口レモンケーキと
森井さんのところのほうじ茶という、ちょっと変わった組み合わせを試してみた。
次の「市場」に出かける日まで、たっぷりと楽しもう。
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